教育徒然

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フィルタリングする理由

 子どもたちが携帯電話やスマートフォンを持ち始め、その使い方が問題視されている。その対応策としてフィルタリングが効果的であると考えられたことも相まって、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律によって強制的にフィルタリングがなされるような措置が可能となった。私の個人的な意見としてはフィルタリングをかけることそのものは反対ではない。ただし、保護者が子どもたちに対し、なぜフィルタリングするのかを説明する必要はあると考えている。

 そもそもなぜフィルタリングをするのであろうか。その理由として有害情報に子どもたちが触れさせないというものを挙げることができるだろう。上記のリンク先にあげた青少年ネット規制法のwikipediaのページでは、有害情報として以下のものを挙げている。


 一 犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為を直接的かつ明示的に請け負い、仲介し、若しくは誘引し、又は自殺を直接的かつ明示的に誘引する情報

 一 人の性行為又は性器等のわいせつな描写その他の著しく性欲を興奮させ又は刺激する情報

 一 殺人、処刑、虐待等の場面の陰惨な描写その他の著しく残虐な内容の情報



 これらが有害情報だとされている。確かにこれらは青少年が見るに相応しいものではない。ゆえにフィルタリングを通して閲覧できないようにするのだが、実質的に有害情報だけをシャットアウトできるわけではない。結果として特定のサイトにつながらないようにするブラックリスト方式か特定のサイトのみつながるようにするホワイトリスト方式のどちらかを使うほかないのがフィルタリングの現状である。

 しかし、フィルタリングの限界は今後の検討課題としても、それ以上にフィルタリングをする意味を保護者は子どもたちに説明できるだろうか。「あなたが見てはいけないものがあるから、見せない設定をする」と言うだけではなく、「なぜ見てはいけない」のかを説明できるかどうかがカギである。

 高等学校では、ほとんどの学校で生徒用のパソコンにはフィルタリングもしくはアクセス制限が導入されている。そのレベルは各地域差があると思われるが、全くもって無制限に見ることが出来るものはほとんどないだろう。もちろん私が勤務する学校でも導入されているが、その理由についても授業内で話している。見れないサイトはおおむねアダルト系サイト、動画サイト、ギャンブルサイト、掲示板サイト等である。



 一 誰もが使う共用パソコンで見てもいい内容ではない。

 一 年齢制限がかけられているサイト等は、サイト側から見ることを拒否されている。

 一 公共のパソコンであり、何かあった際に、責任が取れる立場ではない。



 以上のような説明をしていると、案外生徒たちは納得するものだ。その背景には、それぞれの手元に自分たち専用の端末を持っているが故でもある。しかし、動画サイトは興味をそそられる内容が多く、回線も安定的でないと見れないので、パソコンで見せてほしいという要望がある。そういった要望についても、もし動画サイトのフィルタリングを解除したら「生徒全員が集中して授業を受けることが出来るか」、「動画サイトばかりに夢中になりはしないか」など、生徒たち自身の甘さを指摘し、その責を負うことが出来るかを問うと、自らフィルタリングに納得してくれる。これは先日のエントリーに出した水谷氏の話の中に通じるものでもある。ちなみに動画サイトに関しては有害情報でないものをこちらで面白いものを提示してやることで、新たな興味を引き出したり、授業実践に使えたりとあえて普段見せないことで、より注目を集めることもできる。

 家庭ではフィルタリングをかける意味の説明は変わってくるが、単に有害情報だからフィルタリングを掛けるというだけではないものにしてほしい。例えば以下のものはどうだろうか。



 一 年齢制限のかかっているサイトは、見る資格を持っていないために見ることが出来ない。

 一 何かあった時に責任を問われるのは、自分だけではない。

 一 ネットをやる理由を説明しなさい。



 少なくともこれらを言うだけでも子どもたち自身のフィルタリングに関して考えるきっかけになるだろう。保護者がフィルタリングそのものについて知っておくことも重要だが、子どもたち自身がどのように考えるかも後に影響してくるのだ。私自身、授業の中でフィルタリングを扱うが、興味を持ってくる生徒は多い。

 また、フィルタリングをすり抜けて色々な情報を見たがるのは子どもであれば仕方ないことである。昔であればアダルト本を隠し持っている男の子などどこにもいたのであり、その本を見つけた母親はわざわざ処分せず、なぜ見せびらかすように机の上に置いたのか。そういったことを考えてほしい。フィルタリングとはただシャットアウトするものではなく、その後の対応こそ真価が問われるものである。

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