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教育徒然

社会人のための情報教育②

 
 未来の可能性をつぶさないためのコンピュータスキルと情報モラルの両立

 
 a 知識はスキル スキルは知識

 b モラルはスキル(知識)で補うべし

 c 意固地になるなかれ



 bの「モラルはスキル(知識)で補うべし」とは情報モラルを知識としてだけではなく、スキル面から考慮できるように促すことを表している。こういっては何だが、通り一遍の情報モラルなど改めて教授されなくとも知っているという人は多いだろう。講習会でもどこかで聞いたような講義が多く、あまり講習や研修に意味がないといった内容のアンケートを目にしたことがある。

 実質、情報モラルは一般社会における倫理や道徳をコンピュータ技術やインターネットにおいても適用していこうとしたものである。そのため、誹謗中傷などの注意など、改めて言われるまでもないと思われるのは当然である。ただその中で、コンピュータ技術やインターネットが発達したからこそ注目されるようになったトラブルがでてきたのも確かである。

 先日の「DVD-ROMをコピーする」という事例で改めて考えてみる。当然のことながら、この「DVD-ROMのコピー」の利点は借りたものの複製品を作ることが出来るという点である。今では多くの人がレンタルビデオ店などで借りたDVDをコピーしている現状がある。このスキルはコンピュータに慣れた人にしてみれば、難しい部類には入らず、基礎知識だけでもコピーは可能である。

 この「DVD-ROMのコピー」の際に関連する知識として「著作権」が引っかかってくる。「著作権」については、情報モラルでも取り扱われるものであり、ネット界隈でしばしば取り上げられることが多いので添っている方も多いだろう。そして「DVD-ROMのコピー」スキル習得のために自分で調べるほど、「著作権」という単語を見かけることが多くなる。そして、少なからず「著作権」に対しての自らの考えが生まれてくる。この「自らの考え」を持つことが重要である。

 情報モラルについて注意すべき点は、ほとんどの場合が単なる知識となっていないかという点にある。この「著作権」に関してもただ知っているだけの知識では意味がない。例として挙げるならば、著作権によって保護された作品をコピーし、それを許可なく譲渡する行為は「DVD-ROMのコピー」スキルを習得した人からすれば違法行為であると理解している。

 「著作権」に対してどれだけ意識が高いかは人それぞれだが、少なくとも違法行為であると認識している人にしてみれば、通常の感覚をもちあわせるほど、コピーして譲渡するという行為は避けるものだ。ところが「DVD-ROMをコピー」できるという知識だけを持ち、スキル習得まで至らない人が「DVD-ROMのコピー」をスキル習得した人に頼むという現実がある。これは大人に多い傾向である。当然ながら「著作権」の知識を持ち合わせているにもかかわらず、自分でできないからという理由で誰かに頼むのだ。

 情報モラルについての問題は自己責任が基本であるのに対して、知識がないために、もしくは単なる知識としてしか捉えていないために、他者を巻き込んでトラブルとなるケースが非常に多い。いわゆるネットリテラシーにおいても、これは同じである。モラルをスキル(知識)によって裏付けて対処していくことが望ましい。
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