教育徒然

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問題と提案 電子教材(提案編)

 では先日挙げた問題点に、現段階でアプローチできることについて提案したいと思う。

電子教材に関する問題点

 ① 機材導入への障害

 a 予算

 正直予算については国の経済状態がよくならなければならないので、末端からできることと言えば精々お願いするぐらいしかない。それ以外は新学科設立などによる学校改革を行うことが手っ取り早く予算を付けることが出来るだろう。とはいえ、これについてはほぼ手出しができることではないので、他の可能性を探ってみなければならない。

 現実味のある可能性と言えば、思いつくものとしては二通りある。まず一つはタブレット端末の価格が普及によりかなり下落してしまえば、導入のハードルとしては必然的に下がる。パソコンの価格自体も5~10年前と比べれば、大分値下がりしている実状があり、現在の半額以下になってくれば予算への影響は低くなる。しかし、結局価格は市場に左右されるものであることから考えると、どの時点で導入を決意するかの基準が難しくなり、企業からすれば相当無理をした価格に迫られるのではないかという懸念もある。

 そしてもう一つはリースに任せることである。現在のパソコン教室がリース契約でなされているようにタブレット端末についても同じようにしてしまうのが一番手っ取り早い。そうすれば、bの保管・管理についても一定のめどは立つ。嘘か本当かは分からないが、softbankの孫社長によれば2010年段階で、ipad端末を月額300円程度で貸与することができると話している。気になる方は以下からどうぞ。

田原総一朗×孫正義「コンピュータが人間の脳を超えたとき、社会はどう変わる?

 しかも国が契約して無償で2000万台と話しているのだが、果たしてこれが現実味があるのかは不透明である。個人的にはあまり孫社長の言葉が信用できない面もあるのだが、導入できるという根拠があるのならば、好悪感情は抜きにしても、まずは現実的な試算をお願いしたいものである。もっともsoftbank独占契約という状況はあり得ないことも考えると、他の企業についても、実際に試算してみることをお願いしたい。実際にipadを導入、無償貸与している博多学園ではどのような予算形態になっているかはわからないが、おそらくリース契約の事例の一つではないだろうか。

 結局購入にせよ、貸与にせよ、予算については、学校からしてみれば外部要因であるとの認識が強い。管理職や教育委員会がその気にならない限り、予算への組み込みは難しいだろう。

 b 保管・メンテナンス・設置

 もしリース契約となると、ほぼ決着がついてしまうというのが事実であろう。購入の場合には、慎重に対応するという一点に限る。正直導入が決まったということは、それだけ予算がついたとも言えるわけで、本当にきっちり使うかどうかは二の次になっているだろうと考えられる。そのため、細かい規定等については曖昧のまま、得意な人だけが使うという予測が立つ。長期的に使うビジョンを見据えていないともいえるが、結局そんなものではないだろうかと思う。


② 電子教材そのものに関する不満点

 a 電子教材としての出来が粗雑

 b 現時点での教材データベースはあるのか。

 c 電子教材作成の難易度が高い

 d 情報機器での理解の不確かさ

 e 電子教材に頼る姿勢

 こちらのついては、何より各教員の授業に出てもらって、何が必要なのか、どういった教材にできるのかを検討してもらうというのが重要だろう。はっきり言ってしまえば、教材はアイディア次第、素材同士の組み合わせでかわってくるものである。そういった点で、これまで使われてきた教科書や資料集は、情報量が限定されている骨組みだからこそ、何をやっても肉付きがよく幅を持たせられるものになっていた。しかし電子教材は、骨組みに必要以上の量を付けたすことが可能なため、ともすれば余計な情報ばかりついていってしまうことにもなる。

 つまりは電子教材をうまく活用するという事は、程よく削ぎ落とすことも必要だという点にある。だが、現時点では削ぎ落とすにも骨組みに近すぎて整理がなされていないのである。これを改善していくためには、電子教材を提供する側は、最初から教科書に沿って、骨組みがはっきりと見えるように情報を整理することが求められる。

 もしくは、完全に逸脱しておかしくないほどのまとまった情報を一気に出して、そこからいくらでも改変できるような構成にすることが望ましい。その過程でデータベースが作成されることができるだろうと思われる。

 ちなみに一つの教材で最低でも3分ほどは児童生徒の目線を集中させられるだけの魅力が欲しい。30秒程度の動画では集中させるにはあまりにも短いうえ、印象にもほとんど残らない。細切れの集中力は、注意力を散漫にさせるだけでしかない。

 しかし教材の数がどれだけ出てくるかは不安である。電子教材が注目を集めるといっても、所詮それは最初だけの事であり、情報機器にだけ興味が集まって、教材にまで踏み込んだ議論がなされるのは一部だけになるのではないかとの懸念はある。曲がりなりにも教科書はこれまで続いてきた実績がある。そこに長く踏み込めるだけの、周囲の協力が得られるかどうかが、今後の課題とも言えるだろう。

 機器の導入だけに熱心になる中途半端な姿勢は、教材の中身を空疎化する原因につながる。

 
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コメント


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同意です

記事有難うございました。
大筋でご提案していらっしゃる内容に同意です。
予算面では、袖ヶ浦高校のように学習上の必須品として入学時に購入を
原則とする方法もあるかと思います。学校側の準備は極めて大変かとは
思いますが、近々で実施したい動機付けがあれば検討に値すると思いました。

デジタル化により教材に様々な付加価値を持たせる議論は方々で見かけますが、
他でもない私も「適度に削ぎ落とす」事に重要性を感じている一人です。
あまり同じ意見を見かけることが無いので、現場に先生と考えが合致したのに
素直に喜びを感じています。
結局、企業では当たり前の「PDCA」が回らず「PD」で止まっていることが
多いのが問題かと思います。新しい仕組みを入れるとそれはそれで評価さるでしょうが、
その評価が欲しいだけの人が多いのかもしれません。
教科書という長い実績があるものが信頼に足るのも、何度もチェックが入り
錬成されたからこそだと思います。

なお、私も知識のデータベース化は必要と考えており、夫々の企業や学校、
個人に属人化している教材やノウハウを適切な形で集約したいと思っています。
かつ、その中身が「正しいこと」また「充分に議論されていること」が
肝要と思っており、ここには退職した先生や地域社会が参画できる余地が
あるのではないかと思います。
そうしたプラットフォームを提供するのに適しているのが、通信事業者や
放送事業者だと思っています。
少なくとも、自分はそれをやりたい人の一人です。

tatsunomo | URL | 2012-03-06(Tue)12:29 [編集]


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