教育徒然

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学校と保護者を結びつけるネットワークの在り方

 小寺信良さんの「子供がケータイをもってはいけないか?」の中に気になる記述として「アウトプットのIT化」と「破綻する連絡網」がある。前者は学校から配布されるプリントをデジタル化してネットワークで配信したほうがいいのではないかという提案であり、後者は電話による連絡網が個人情報重視の観点によってすでに崩壊しつつあり、連絡網の在り方に疑問を呈していると私は捉えている。

 確かに両観点とも今後の対応として必要なものである。保護者にとってみれば各個人に届くデジタル化された情報というのは非常に便利だろうと思える。全てコンピューター上で行うのだからさほど手間もかからず簡単にできてしまいそうな気さえしてしまう。しかし、メリットを強調してばかりもいられない実情を考えてもらう必要が生じる。
 
 小寺さんの場合だと、年間約400枚前後のプリントが届くので、それらの維持管理が紙では心許ないうえ、いざという時に扱いにくいのでデジタル化が望ましいというものである。だが、現実は紙によって配布されるものが少なくなることはないだろうと思われる。

 まず一つに環境整備がそれにあたる。当然のことながら、その保護者全員が一つの例外もなくデジタル化された情報を受け取れる環境が整備されていなければならない。40人学級で4,5人の保護者が情報機器を使うことが出来ない環境にあれば、紙による配布を全員にした方がいいと考えてはしまわないだろうか。

 もちろん紙による配布はやめなくてもいいので、メールでも配布してくれればいいとの意見が出てくるだろう。しかしここで見えてくるのは何のためのIT化だったのかである。校務のIT化で時間短縮の筈が印刷したうえでさらにメール配信となる状態は果たして時間短縮といえるのだろうか。

 またメールアドレスなども個人情報として収集し、学年や学校でデータベース化することは将来的にありうるが、それを利用するのが学校全体となればその管理方法などを規定する必要が出てくるのだろう。特にネット上に直接つながるものならば、教員が個人的にもつスマートフォンなどで扱うことは禁止され、より一層制限された範囲内でしか運用できない可能性もでてくるのだ。

 これに対し、個別に配信するのではなく、webページ上で誰もが閲覧する状況を作ればいいとの考えも出てくるだろう。確かに主として保護者に伝わればいい情報は先の400枚のうち100枚前後になり、ページ上に掲載することは問題ない。しかしただでさえ年間100枚前後のプリントをwebページ上に掲載する方が見やすくていいと判断するかは疑問である。とはいってもこれらの点は学校として何とかしていく方向で片付けられてしまうのだろうとも思う。時間と金の保証がないままではあるが。

 さらにプリントを配布する意味についても考えて頂きたい。プリントの情報は担任から児童生徒そして保護者へと伝わる。それに本の中で指摘されている通り発行するプリントを発行する部署は様々あり、中学校や高校ならば、教務、生徒指導、進路指導、保健、特別活動、渉外、学年といったことがあげられるだろうか。つまり担任が学校の窓口になり、そこにプリントが預けられ30余名の児童生徒に配布されるのだ。

 そのプリントの内容は児童生徒にも知ってほしいという情報である。ホームルーム時に説明したりする場合には、やはり各生徒に伝わるようにそれぞれがプリント読める状況を作る方が望ましい。給食の献立表や図工に必要なものといった内容は、生徒と保護者、両方に事実認識を促すためのものであり紙で発行しないという選択肢は、おそらく今後もないだろう。

 加えて、これは厳しいと思われるかもしれないが、どうして小寺さんはプリントを自分でデジタル化しなかったのかという事も指摘しなければならない。紙のプリントをメールで送ることを簡単で効率が良いとするならば、配られたプリントを写真で撮るなり、スキャナで保存するなりすることも出来た筈である。その時はそうしなかっただけで、今はデジタル化しているのだろうが、その時まで思い至らなかった理由を考慮する必要はある。

 スキャナやカメラなどの環境整備も重要な点であるが、それ以上のことは推察する余地はないので、環境以外を考える。すると、そこには自分がやらないでも、学校が提供してくれればそれで済んでしまうという情報利用の怠慢とはいえる思考がないだろうか。つまり「情報機器をうまく利用してほしい」と言いながら、自分では「わざわざそんなことに情報機器を利用する必要がない」としているのだ。これでは本末転倒である。受け取った情報をなぜうまく使わないのかとも言われかねない。最もこれらは普段使い慣れた人への意見となるので、あまり参考にはできないが。

 そしてこれらの「情報のアウトプット」の現状課題を踏まえたうえで、「破綻する連絡網」に効果も期待できる提案がある。それは次の時にでも書くとしよう。
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