教育徒然

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違法ダウンロード刑事罰化の子どもたちへの影響


『違法ダウンロード刑事罰化』について、議員向けの反対声明を発表しました。

 インターネットユーザー協会(MIAU)から上記の声明が出された。その中で「摘発されるのは理解していない子どもたち」という内容があったので、少し触れたいと思う。なお、違法ダウンロード刑事罰化の是非について問うつもりはない。あくまで子どもたち及び教育の影響等に限った内容を述べていきたい。




・摘発されるのは理解していない子どもたちです

2010年の著作権法改正で、違法にアップロードされた音楽・映像ファイルのダウンロードが違法とされました。権利者側が違法ダウンロードの主体と見なしているのは主に中高生ですが、その約半数が未だ、ダウンロードが違法になったことを知りません[*1]。このような状態で罰則をつければ、多くの「違法になったとは知らなかった」子どもたちが摘発の対象となります。子どもたちに教育を受けるチャンスを与える間もなく刑事罰化へと進むのは、あまりにも拙速であると考えます。




 さて、これをどのように考えるべきかが少し迷うところである。この内容に沿った違法ダウンロード刑事罰化によって摘発される子どもの状況を考えてみる。

 ① 自由にネットにアクセスできる環境がある。

 ② データをダウンロードできる技術等を知り、実行できる能力がある。

 ③ 違法ダウンロードであることを知らない。加えて刑事罰化されていることを知らない。

 そして、これを踏まえて以下の疑問を呈したい。

 A 子どもたちが自由にネットにアクセスできる環境が整備されていることは問題であるか。

 B ダウンロード技術の習得は子供たちにとって容易であるか。

 C 子どもたちが違法ダウンロードを認識できるか。また刑事罰についても理解できるか。

 では、まず①及びAについて見てみよう。ハッキリ言ってユビキタスコンピューティング及びユビキタスネットワークを目指す以上、ネットワーク環境が整っていくのを止めることはできない。であれば、子どもが使う環境あることもごく自然であり、①の条件は達成され、Aについても問題とされないと結論付けられる。

 ただし、全く制限がないということにはつながらない。これは子どもであるゆえに保護者及び周囲の大人からの制御を受けていることを考慮する必要がある。子どもが使用できる情報機器に制限がある場合は、自由なアクセスが認められない。ただし、このネットワークの制限・制御は周囲の人物のネットワークや情報機器に対する認識に大きく左右されてしまう。

 これ故、アクセス制限の差がついてしまっている現状が存在する。そう考えると、違法ダウンロードの責任を子どもたちだけに追及してしまうのは不自然である。設備ではなく周囲の認識・認知度による環境差が、子どもたちの違法ダウンロードを生み出す危険性を見落としてはならない。

 次に②とBについてである。これは前提としてどこからをダウンロードと定義づけるかにもかかっている。例えば動画サイトで動画を見るだけでもデータはパソコン内にダウンロードされていると考えるのか、専用のソフトなどを使って別の機器で再生できるようなファイルとして形造られたときのみダウンロードと考えるのかなどの区別がある。

 前者のタイプで考える場合、動画サイトにアクセスしクリックする能力があるならば誰でも対象となり得るものであり、子どもでも簡単な作業である。また後者でも、最近の公式プレーヤの中には初めからダウンロードとファイル化の機能が付いているものも存在している。となれば、子どもたちがダウンロードするための条件と問題を両者ともクリアしていると考えていいだろう。

 最後に③とCについて触れていきたい。子どもたちへの直接的な教育としてはこの点が最も重要である。果たして子どもたちは正規か違法かのダウンロードの区別をつけることが出来るのか。直接的な経験として言えば、高校生であっても自分たちが適切なダウンロードを行っているかどうかの区別をつけることができない生徒は存在する。というよりむしろダウンロードとは一体何なのかを分かっていない生徒も確実にいるのだ。

 これは大人であっても例外ではない。同じ教員であってもコンピュータ上の専門用語であると分かった時点で、もう訳が分からなくなってしまう場合さえあるのだ。そんな中で果たして小中学生から高校生、もしくは大学生まで含めて違法ダウンロードの認識を広げることが出来るだろうか。これは今後の情報教育の体制にかかってくるのは間違いないのだが、難しいというよりも①やAで挙げたように大人の認識がどこまで広がるかにも大きな要因となってくる。

 大人が違法ダウンロードの区別がつかないようであれば、子どもたちに教えることはできず注意喚起することさえできない。誰もが悪いとわかっていても、子どもたちに周囲の大人がその詳細を伝えることが出来ず、どうすればよいのかを指導できないのであれば、子どもに違法ダウンロードの責任を取らせるのは酷であると言わざるを得ない。

 以上の点から次のように考えるのが道理である。





 インターネットへ自由にアクセスできる環境が子どもたちに整っていることは自然であり、子どもたちはその利用法について導く大人がいることを保障されなければならない。加えて、子どもたちは情報技術を自ら学んで習得することも自由である。

 保護者および教員ならびに周囲の大人は子どもたちに正しい情報の在り方、扱い方について指導できる知識と能力を有していることが求められる。

 これらの指導を受け、正確な理解と認識を得たにも関わらず、法律を犯した子どもについては罰を受ける責を負う。



 つまりは大人がもっとしっかりしないと駄目。子どもたちに責任負わせるのは少し早すぎじゃないかみたいな感じ。

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まとめtyaiました【違法ダウンロード刑事罰化の子どもたちへの影響】

『違法ダウンロード刑事罰化』について、議員向けの反対声明を発表しました。 インターネットユーザー協会(MIAU)から上記の声明が出された。その中で「摘発されるのは理解してい

まとめwoネタ速neo 2012-06-08 (Fri) 03:23


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