教育徒然

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情報モラル育成は予防と対応

 先日書いた「情報モラル本に足りぬもの」に対してさる筋からある意見を直接頂き、製本することの難しさを再認識したのだが、その言葉の中にふと気になることがあり、それを考察したことについて書いてみようと思う。

 さて、その気になったことについてなのだが、まず頂いた意見を掻い摘んでまとめてみる。



 ・ 情報モラル教材はネットの初心者向けというのがコンセプトに近い。

 ・ 状況の変化は認識。情報モラル育成が高校生では遅いかもという疑問もある。

 ・ リアルさを追求することも必要かもしれないが、暗部の強調表現になることが不安。

 ・ 「教材」という括りであるがゆえに「無難」から外れることが難しい。

 ・ 提案されたような内容についても検討したことがあるが、実現には至らなかった。



 以上のようなものであった。

 そして、この中で最も考えさせられたのは、今回のような情報モラル教材は「初心者」が対象の中心になっていると示された点にある。確かに他の点も併せて考えると、どうしても初心者向けとなるのは避けられず、どうしようもないかと思ってしまう。だが、ここで思いついたのが「果たして情報モラル育成が初心者向けを中心としていいのか」ということだった。

 ただそうなると「なぜ情報モラル育成が初心者対象に傾くのか」を考えねばならなかったのだが、ようやくここにいたり、一つの可能性にたどり着くことが出来た。それは「情報モラル育成とは、今後を見据えた予防接種」であるというものだ。

 なるほど予防接種であるならば、情報モラル教材の在り方として非常に納得できる。初心者向けであることも、強調しすぎた内容に不安も覚えるのも副作用を怖がる心境に近いものであると考えれば受け入れられるというものだ。と同時にいわゆる感染者もといネットの経験者にとって効果が薄いのではないかという疑問点も内包してしまったことになる。

 また、高校生にネットの初心者が多いかは疑問の残るところだが、ゆとり教育の批判に対して「学習指導要領は最低基準」と銘打たれた影響が今も残っている事を考えても、情報モラル教材の初心者向けは免れなかったのだろう。とはいえ、これにより今後の社会に向けた安定的な情報モラル教育が形として、一つの枠組みが成されたことは歓迎すべきである。

 で、あればこそ、もう一つの要請である、ネットに慣れ親しんだ人たちの声にもこたえる必要がある。こちらは予防というよりも現在のトラブルへの対応・対策と捉えなければならない。また、ネットに触れ、様々なことに悩む児童生徒たちを支援する形と言えるかもしれない。

 ちょうど今日、違法ダウンロード刑事罰化について大きな動きがあったわけだが、こういった事態は子どもへの影響が大きいことも予想でき、情報モラルで取り扱わなくてはならないだろう。また、自分の行動が違法かどうか迷い悩む児童生徒もでてくることすらあり得るのだ。

 これは予防ではなく、対応・対策である。実質的に知る人でなければ説明できず、なぜかという背景も伝えづらいのが難点ではあるが、それこそ待ったなしの現実が進んでいる。先日取り上げた「誹謗中傷」もすでに受けた人物が、予防のための教材でトラウマを引き起こしてしまっては問題があるかもしれない。

 しかし、現在ネットで「誹謗中傷」の被害にあう生徒がいれば、どうしたらいいのかという対策を知りたいと思うのもまた道理である。ネットのトラブルに対する子どもたちの相談件数は子どものネット・ケータイトラブル相談のためのこたエールなどを見てもごくわずかである。にも関わらず不正アクセスの補導・逮捕事例は後を絶たない。

 これをどうにかするためにも、周囲の大人の確かな知識とネットへの理解が重要なのだが、情報モラルの初心者レベルで止まっていると、相談もされないのが実情である。だからこそ、児童生徒の自衛も含めて、多少突っ込んだ内容の「情報モラル本」は必要だと思う。教材として扱うことはできないかもしれないが、今後の可能性も含めた対応は必要不可欠なのだ。

 予防は、対象となる事例が蔓延するほど効果が薄くなる。それを見越して、いつ、どの段階で、どの程度の抗体を持たせるかが課題である。

 対応・対策は予防がなされている場合は、いざ事態が起こっても、失敗した事例を教訓として昇華させることも可能であり、傷も浅く、完治も不可能ではない。

 情報モラルは予防と対応・対策の両輪で回すことを常とした実践を行っていきたいものだ。

 
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まとめtyaiました【情報モラル育成は予防と対応】

 先日書いた「情報モラル本に足りぬもの」に対してさる筋からある意見を直接頂き、製本することの難しさを再認識したのだが、その言葉の中にふと気になることがあり、それを考察し...

まとめwoネタ速neo 2012-06-19 (Tue) 19:59


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